NPO相談
充分に企画を練ることが必要です!
「応援したい!」という気持ちを呼び起こす工夫をしましょう!
❚「多数の人」から「少しずつ」集める
クラウドファンディング(crowdfunding)とは、 多数の人(群衆 crowd)から少額の資金を集め ること(資金調達 funding)です。日本語では「クラファン」と略されることもあります。
NPO・市民活動団体の資金調達の方法としても注目されますが、ファンによるアーティストの 支援、ベンチャー企業への出資、映画の製作、開発や研究など、幅広い分野で活用されています。 数世紀前のヨーロッパにおいては、書籍の出版が予約購入方式によって行われていました。これ は、本の出版という事業を進める上で必要な購入者を事前に集めるという点で、現在のクラウドフ ァンディングに近いものであったようです。
最近では、事業の起案者や実行者によるアイデアやプランの発信と支援者の募集がインターネッ トを介して行われることが多いため、クラウドコンピューティング(cloud computing)の「cloud (雲)」と関連すると思われるかもしれません。しかし、前述のとおりクラファンのクラウドは「群 衆」を意味しますので、お間違えのないように。
❚「リターンによる4タイプ」と「資金の受取り方による2タイプ」
クラファンは、出資者に対するリターン(見返り)によって4種類に大別されます。
① 金銭的リターンのない「寄付型」
② プロジェクトの利益から配当という形でリターンがある「投資型」
③ 利子という形で一定のリターンがある「融資型」
④ モノやサービス、権利という形での特典がある「購入型」
また、資金の受取り方によって、 実施期間中に支援総額が目標額を超えた場合に資金を受け取る ことができる「オール・オア・ナッシング方式」と、 目標額に達しなかった場合でも支援金を受け取 ることができる「オール・イン方式」の二つがあります。
以下に、オール・オア・ナッシング方式での実施の流れを示します。 プロジェクトが実行できなくなった場合、起案者は、出資者に対して説明と返金などの対応を行 わなければなりません。そのため、 目標金額の設定や実施計画に不備がないよう、十分に企画を練ることが必要です。各専門サイトではプロジェクトをスムーズに実施するための助言と支援を有料 で行っていますので、そのサービスを活用しましょう。
❚クラウドファンディングを成功させるコツ
なんと言っても、まずは「応援したい」「応援しなくちゃ!」という気持ちを呼び起こし、その気 になってもらうことが大切です。その他に具体的なポイントをいくつかご紹介しましょう。
① チームをつくる…一人ですべてをやるのは大変ですから、3~5人のチームを編成しましょう。 リーダー(責任者)、文章作成、写真・画像編集、SNS発信など、役割を分担します。
② やりたいことを明確に表現する…プロジェクトを文章化するのはもちろんですが、 成功後のイメ ージを写真やイラストで魅力的に表現することもお勧めです。 「応援したくなる」ことが鍵にな ります。
③ 準備と並行して、あらかじめ支援者を募る… クラウドファンディングは「スタートダッシュが肝 心」と言われます。 まずは、身近な人に応援をお願いしておきましょう。応援者が多いほど、新 たな応援者を巻き込みやすくなりますよ。
④ 魅力的なリターン(返礼品)を用意する…支援者の需要に合ったリターンを用意すると、支援さ れやすくなります。何より、感謝の気持ちが伝わることが大切です。
⑤ 積極的に情報発信する…クラウドファンディングの専門サイトに掲載して終わりではだめです。 プレスリリースを打って新聞等に取り上げてもらったり、 SNSでも積極的に発信して多くの仲 間にシェアしてもらいましょう。